介護食士ってどんな資格?

人間は高齢になると歯が抜けて上手く噛めなかったり、飲み込むときにむせてしまったりと食事を十分に取りにくい状態になってしまいます。食事は体に必要な栄養を摂取するためにおろそかにはできません。栄養が足りなくなることがないよう要介護者にとって食べやすい食事、介護食はなくてはならないものです。介護食士とは要介護者向けの食事である介護食が提供できる専門知識を学んだ人に与えられる資格です。内閣総理大臣認定を持つ公益社団法人全国調理職業訓練協会が設けた認定資格制度で、公益事業として認定されています。資格には1級から3級まであり、学科と実技の合計約70時間の講習会修了後(80%以上の出席)に修了試験を受験して合格する(60点以上)ことで資格を取得できます。

3級の講習会は受講資格もなく、高齢者の身体的機能の特徴や栄養素の知識、食品や調理する際の衛生の知識からはじまり介護食の基礎知識を取得できるので、介護食に興味がある人など介護に携わる職種はもちろん、一般の人も数多く受講しています。3級取得者向けの2級、2級取得後2年以上介護食調理の実務に従事した25歳以上のみ受講ができる1級は、調理師や栄養士、管理栄養士、介護士の資格を持つ人がより介護食への知識を深めるために受講することが多いです。介護食士の資格を取得するために、調理師や医療・福祉に関する専門学校の学生になる必要はなく、一般の人を対象とした講習会を開講している施設で受講できます。ただし、開講施設によって受講できる級は異なります。3級は比較的多くの施設で受講できますが、1級を受講できる施設は限られているので注意しましょう。